• 深夜まで続いた消臭作業!

    by  • 2010年3月15日 • 旧日本やること企画

    道具があれば、あっという間に終わるのだけど…

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    その男たちは、午後にやって来た。
    総勢10人。
    マスクとスコップを片手に登場し、昨日に紹介した汚泥の山を切り崩して平らにする作業を始めた。
    そもそもの発端は、早朝に警察がやって来たことである。
    どうやら、近所からこの工場の異臭について通報があったらしい。
    といっても、このへんに民家なんてほとんどないので、おそらくは近所の工場(しかも、隣にあるのは、本物かどうかはともかく、有機肥料を作っているライバル工場らしいしね…)によるものだろう。
    そんなわけで、急に慌て出したここの経営者たち。
    警察や政府の方面は「口利きのプロ」に任せてどうにかしたようだが、そのまま悪臭を放置しておくわけにはいかない。
    だが、飯山が導入を提案している、トラクターのようなものも、すぐに入手することは不可能なようだ。
    意外に思うかもしれないが、このへんの農業ではあまりトラクターを使っていない。
    土を耕すのに使われるのは「牛」なのだ。
    牛を散歩させて畑を耕せば、お金もかからず、糞尿もそのまま肥料にできるし、おまけに牛の肉質もよくなる、ということらしい。
    生ごみを家畜のエサにしたり、豚糞尿を魚に食わせたりするなど、なんでも再利用していることでもよくわかるのだが、中国というのは、意外にも合理的なシステムで動いている国なのだ。
    というわけで、とりあえずは人を動員してでもどうにかしなければならない。
    この10人の男たちは、そうして呼ばれたのである。
    これがまた時間のかかること…。
    なんせ、そこにある汚泥は40トンもあるのだ。
    その山を崩しては乳酸菌を撒き、手作業で混ぜあわせていくのだから、そりゃもう大変な作業だ。
    どうやら、ここの経営者たちはそれを予見していたようで、深夜作業用のライトまで借りてきていた。
    この工場には電灯もついているのだが、どこで断線しているのか、現在使用不可能なのである。
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    作業の最終段階、飯山は最後の仕上げとばかりに、惜しげもなく大量の乳酸菌を散布した。
    ちなみに、今回、40トンの汚泥に対して散布した乳酸菌は3トン強である。
    仮に日本で市販されている乳酸菌を使用したとすれば、最低でも300万円はかかるだろう。
    それが、原料価格ベースで考えれば、たったの75元(約1000円)しかかかっていない。
    乳酸菌の効用はわりと知られているが、飯山の技術がほかと根本的に違う部分は、乳酸菌を「安く」「大量に」「素早く」作ることができるということだ。
    「もったいないから節約しながら使う」という必要がなく、ゴミだろうと汚泥だろうと、川やトイレだろうと、とにかくどんどん撒いてしまって問題ない。
    皮膚病の人を乳酸菌を満たした風呂に入れてもいいだろうし、胃腸が弱い人が毎日グビグビ水のように飲んでもいいのだ。
    そして、この気の遠くなるような作業が終わったのは、なんと深夜も深夜、23時過ぎのことである。
    噴霧機がないために、まだ空気中に残っている異臭はあるものの、汚泥そのものの臭いはすっきり消え失せた。
    ただ、これからアンモニアが出てくる可能性があるので、また明日様子見して、乳酸菌を撒くかもしれない。
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    その間、ずっと現場を見張っていた中国の経営者たちは、それからやっと食事だ(日本人グループは先に食事をしていた)。
    いつも、食事のことばかり考えている(失礼)彼らも、今日ばかりはそうも言ってられなかったようである。
    そうそう、直接関係ない話だが、つい先日、この会社のなかに台所と食堂ができた。
    そして、今日からは、ここで食事を作ったり、掃除をしたりしてくれるオバちゃんも入ったので、みんなで和気あいあいと食事ができるようになった。
    この会社では、中国人と日本人が、まるで家族のように過ごすという、非常に面白いことになってきている。

    About

    本名、木崎貴史。日本グルンバ総合研究所 主任研究員、海外拠点開発・広報担当。WGICの代表でもある。グルンバの開発者である飯山一郎に誘われ、中国において“牢名主”(グルンバプラント等管理人)となって技術を習得。その後、海外のローカル拠点作りをメインに事業に取り組んでいる。別名「がけっぷち社長」。ブログ「やっぱり、毎日がけっぷち」もあるが、最近はグルンバがらみに夢中で、ろくに更新していない。